ディオニスの坂(再演)公演ログ その坂を登りきった者は願いをかなえるという伝説がある。: そして今、友と妻を救うために一人の男がその坂を見上げていた。 彼は坂を登りきる事ができるのか?そして妻と友を助けることができるのだろうか? 結末は彼方の目でごらんください。 エレノス : ここの墓に来るのも久しぶりだな・・・ エレノス : 元気だったか? エレノス : あれから七年か・・・あっという間だった エレノス : あの日の事は今も鮮明に思い出せる エレノス : そう、こんな霧がかかっていたような日だった・・ アリア : エレノス! アリア : どこにいくの!?駄目よ!いかないで! アリア : ガイアスはどうするの?!重傷なのよ? エレノス : 君の病気を治す為にはディオニスの坂を探すしかないんだ!! エレノス : ガイアスだって助かるかもしれない!! アリア : だからといってそんな戦いから戻ったばかりなのに・・・ アリア : ごほっごほっ エレノス : 必ず戻る エレノス : 待っていてくれ!! アリア : エレノス!エレノス!! ガイアス : ・・・ど、うした?  ガイアス : アリ、ア・・・? アリア : エレノスが坂を探すといって出て行ってしまったの・・・・ ガイアス : ・・・・アイツ、め・・・アリア、を一人で・・・ アリア : ガイアス!もう喋っちゃだめよ! ガイアス : ああ・・・ アリア : さあ、あっちにいって休みましょう・・・ エレノス : この坂か・・・ エレノス : あれから五年、噂をつてにここまでやってきた エレノス : そしてたどり着いた、ディニオス山へと続く長い坂道 エレノス : 俺がここを上りきることが出来れば、俺の願いは叶うはずだ エレノス : アリア・・・・ガイアス・・・ エレノス : 待っていろ・・・ エレノス : 必ず助けてやる!! エレノス : なんだ・・これは・・・ エレノス : 坂に登るための門があるとは聞いていなかった エレノス : びくともしないな・・・ エダ : ほほう、また愚か者がきおったか エレノス : だれだ! エレノス : しかもいきなり初対面で愚か者とはずいぶんな言い草だな エダ : ほっほっほ エダ : 願いを叶えようとするもの、奇跡を願うもの エダ : どちらにせよ、愚かなことにはかわりあるまいて? エレノス : 願いを叶える事の何が悪いのだ? エレノス : 愚かなのはみすぼらしいキサマのほうだ! エダ : 若いのぅ エダ : さて、問う エダ : お前は何を望むのじゃ? エレノス : そんなことお前に話すことじゃない エダ : まぁ、いきなりそんなことを言われても混乱するじゃろうな エダ : まさにその通りじゃのぅ エレノス : ああ、俺はなんと言われようとこの坂を上りきってやるからな エダ : そう焦りなさんな エダ : 坂は逃げたりはしないからのう エダ : 今、聞いたのは我がここの門番だからじゃ エレノス : ふむ、では願いを言えば私をこの門から通してくれるのか? エダ : そうじゃな エダ : 返答次第によっては エダ : この門を通してやってもいいぞ? エレノス : ・・・・わかった エレノス : 私は妻を助けたい エレノス : 五年前からそのためにずっと探していたのだ エレノス : 妻の病気は医者によると不治の病だということだ・・・ エレノス : そして私の帰りを待っている エレノス : これ以上時間はかけられん エダ : なるほどのぅ エダ : 最愛の妻のためにお前はこの坂を上りたいと? エレノス : そうだ・・・頼むからここを通してくれ! エレノス : 拒否したところで壊してでも押し通る!! エダ : ふふん エダ : お前さんには本来ならここを通れるワケが無いのだが エダ : よかろう、扉を壊されては適わん、好きにするがいいぞ エダ : ただし、3つ注意事項がある、これは必ず守ることじゃ エレノス : わかった、通してくれるのなら従おう・・・ エダ : とたんに聞き分けがよくなったのぅ エダ : ではまず一つ目 エダ : 途中では獣がでる、十分に注意することじゃ エダ : そして二つ目 エダ : ずっとその願いを忘れず常に気持ちをそちらに持っていくことじゃ エダ : 三つ目 エダ : これを常にもっているんじゃぞ? エダ : 思い石と呼ばれる石じゃ エダ : これを頂上に置いた時に願いは叶うだろうて エダ : よいな?必ず守るのじゃ エレノス : もし、守らなかった場合はどうなる? エダ : そのときは資格を失いあっという間にここに戻ってくるじゃろうて エレノス : わかった、心に留めておくとしよう エダ : 良い、決して惑うではないぞ エダ : では門を開けようかのう エレノス : ああ、頼む エダ : ごごごごご エダ : 入るがいい・・・ エダ : 願いは叶わぬものじゃ・・・ エダ : ましてや奇跡など・・・ エレノス : ・・・・・・ エレノス : しかし、ここは不気味なところだな エレノス : 前3mほどの視界しかないとは・・・ エレノス : これは霧なのか? エレノス : いい、進むしかないのだ エレノス : このようなこと気にしていられぬ エレノス : ふぅ、結構歩いたはずだ エレノス : しかし霧が晴れる様子もない エレノス : ただ斜面でかろうじて方向がわかる程度だな エレノス : ここはどこまでいけばいいのだ? エレノス : ・・・・いや、信じよう エレノス : 私は妻を助けるのだ サーフィス : おや? サーフィス : 珍しい。お客さんかな? エレノス : む、キサマが老人の言っていた獣か?! サーフィス : おいおい、勘違いしないでおくれよ サーフィス : 僕はこの坂の水先案内人だよ サーフィス : サーフィスというんだ、キサマなんていう呼び名はよしてほ しいなぁ エレノス : はて、水先案内人など老人は話していなかったが? サーフィス : ククク、彼は門番だからねえ、知らないこともあるよ エレノス : ふ、しかしサーフィス(うわっつら)とは言いえて妙な名前だな サーフィス : もう、失礼しちゃうなぁ、僕はこれでも真面目に働いてるんだよ? エレノス : 信じられんな・・・ エレノス : 恰好からして奇妙だし サーフィス : 格好なんてその人を表すピースの一つでしかないよ サーフィス : そんなものに意味なんてない・・・そう思わない? エレノス : まぁ、そんなものかもしれないな・・・ サーフィス : クク・・ サーフィス : そんな話はおいといて、君は何を叶えにきたのかな? サーフィス : 地位? サーフィス : 名誉? サーフィス : それともお金かな? エレノス : そんなものには興味がない エレノス : 私は妻を病気から救いたいだけだ。 サーフィス : へえ! サーフィス : そこそこ真っ当な願いだねえ エレノス : そのために五年もここを探してきたのだ・・・ サーフィス : ふぅん、そうなんだ サーフィス : ただね、僕は精一杯生きる事ができればそれでいいと思うの だけど・・・ サーフィス : 奇跡などにも頼らずともね エレノス : 私にはそれしかすがる物がないのだ・・・ エレノス : そして助けたい・・・ サーフィス : ふうん、まぁいっか サーフィス : でもさぁ サーフィス : なーんか隠してない? エレノス : 何を隠すというんだ?私は本心からそう思っている サーフィス : んー、そうだね・・・ サーフィス : 本心から君はそう思っているみたいだ サーフィス : でも・・・、なんていうか、 サーフィス : 厚着の上にさらに厚着をしているような サーフィス : なんか変な感じを受けるんだよねえ エレノス : なんだ、そのおかしな例えは・・・ サーフィス : たとえばさ サーフィス : コインを投げて裏表を見ようとして・・・ サーフィス : そのコインが裏表ともに同じ絵柄に変わっていたような感じ さ サーフィス : 黒の上からさらに黒を塗るようなね・・・ サーフィス : いや、自覚がないの? エレノス : ますます意味がわからなくなってきた エレノス : そうやって私の気持ちを揺さぶろうとしているなら無駄だぞ エレノス : この思いは強い エレノス : 何よりも強い! サーフィス : ククッ・・・ サーフィス : ま、いっか。気づいていないのなら サーフィス : それじゃあ、とりあえず役目を果たすとしますかねぇ エレノス : 役目? サーフィス : そうだよ、 サーフィス : 水先案内人・・・ サーフィス : といったじゃないか エレノス : ふむ、ではここから案内してくれるのか? サーフィス : まぁねー、頂上手前のギルデア区域までだけどね エレノス : そうか・・・ エレノス : それがどこだかはわからないがとにかく急いでいる、頼むぞ サーフィス : はいはーい、サーフィス君にお任せあれ サーフィス : あっとそうだ、ここからアイデンの鏡が出てくるから気をつ けてね エレノス : アイデンの鏡?なんだそれは? サーフィス : まぁ、知らないか・・・ サーフィス : 老人が言っていた獣さ、いやむしろ怪物だろうね エレノス : ふむ、私は剣には少し覚えがある エレノス : 任せておけ サーフィス : おーおー・・・ サーフィス : 心強いねぇ、じゃあ行こうか エレノス : ああ、道案内よろしく サーフィス : クククク、まっかせといてー♪ サーフィス : そういえばさ サーフィス : 君、どっからきたの? エレノス : ここから西に二日ほどいったガーブス市からだ サーフィス : ガーブスガーブス・・・ サーフィス : ああ、あそこか サーフィス : 大きな戦争があった気がするんだけど? エレノス : ああ・・・ エレノス : まぁ、私の家は幸い戦火を免れたがな・・・ サーフィス : へぇ、あんな激しい戦争だったのに幸運だったねえ エレノス : そうだな・・・ エレノス : かなりの幸運だったかもしれない・・・ エレノス : サーフィス?どこにいった? エレノス : くそう、見失ったか、こう霧が濃いと先も見えない・・・ エレノス : ん、サーフィスそこにいたのか? エレノス : ガイアス・・・?!なぜこんなところに?? ガイアス : エレノス、エレノス・・・ エレノス : やはりガイアスか!? ガイアス : さあ、共にガーブスを取り戻そう・・・ エレノス : やめてくれ、ガーブスはもう既にボロボロなのだ エレノス : 私達だって・・・ エレノス : 必死で逃げ延びたではないか?! ガイアス : 許されぬ ガイアス : それは許されぬ・・・ ガイアス : キサマは ガイアス : 許されぬのだ・・・ エレノス : お前はガイアスじゃない! エレノス : 私は騙されぬ・・・、騙されぬぞ!! ガイアス : ・・・・・・ アリア : エレノス?エレノスなの?!会いたかった・・・ エレノス : アリア?!アリアなのか?! アリア : そうよ、私よ・・・、貴方のおかげで元気になったわ・・・ エレノス : 嘘だ! エレノス : 偽物だ!! エレノス : アリアがこんなところにいるわけが無い! エレノス : そうだ!私は騙されないぞ! アリア : 私のこの温もりも信じられないの? エレノス : アリアは私の帰りを待っているはずだ! エレノス : そうか、これは鏡が見せている幻影だな!? エレノス : 騙されない!!いるわけがないじゃないか! エレノス : その温もりなど今感じられるはずない! アリア : ・・・・・・ エレノス : 頭が・・・ エレノス : 痛い・・・・ エレノス : なんだこの痛みは・・・ サーフィス : おーい サーフィス : エレノス君? サーフィス : 大丈夫かい? エレノス : !! キサマも偽者か!? サーフィス : ちょちょ、ちょっと待った! サーフィス : いきなり剣を向けないでおくれよ・・・ サーフィス : ははーん、さては・・・ サーフィス : アイデンの鏡につかまったね エレノス : やはり・・・・ エレノス : ・・・・・・・・・さきほどのは幻? サーフィス : まあね、鏡は人の闇を映す・・・ サーフィス : 危うく取り込まれそうだったみたいだね? エレノス : そうか・・・ エレノス : サーフィス助かった・・・ サーフィス : 僕はなにもしてないけどねぇ? サーフィス : もうはぐれたらダメだよ エレノス : ああ・・・・ サーフィス : さあ、頂上に大分近づいたよ、もう少しだから頑張ろう♪ エレノス : ああ・・・・ サーフィス : クククッ、さあ、行こう! サーフィス : どうしたの?元気ないね? エレノス : いや、気にするな・・・ サーフィス : そうだよねー サーフィス : 奥さん助けるんだもんね エレノス : ・・・・ああ、そうだな エレノス : そうだよな! サーフィス : ククッ、その意気だよ サーフィス : さて、と サーフィス : そろそろかなー? サーフィス : いや、ついたのさ サーフィス : ククク、ここがギルデア区域さ エレノス : ・・・ エレノス : 見事に岩だらけだな・・・ サーフィス : でも視界は開けたでしょ? エレノス : 確かに頂上がみえるな・・・ サーフィス : さて、僕の役目はここまでだ♪ エレノス : そうか・・・ サーフィス : どうしたの? サーフィス : 怖気づいちゃった? サーフィス : ククッ エレノス : 馬鹿をいうな! 俺は止まれないのだ サーフィス : ですよね! サーフィス : 頑張ってねー、応援してるよ♪ エレノス : ああ、頑張るさ・・ サーフィス : じゃあ サーフィス : 帰りも僕はここにいるから、頂上にいっておいで エレノス : ああ、行ってくる サーフィス : またねー♪ サーフィス : っと忘れてた! サーフィス : 君から貰う物があったよ エレノス : ・・・ん?何の話だ? サーフィス : ククッ サーフィス : やだなあ・・ サーフィス : タダでここまで送ってあげるはずないだろう? サーフィス : そんなボランティアみたいなことやっている筈ないじゃない か? エレノス : なんだ?金か? サーフィス : いやいや、 サーフィス : 僕達幻界の人間がそんなものいらないのさ サーフィス : そうだね・・・ サーフィス : 君の思いでも、貰おうかな? サーフィス : さっきは失敗したしね♪ サーフィス : 希望の鏡じゃやっぱり堕ちないみたいだし・・・? エレノス : さっきの幻影はキサマか!? サーフィス : ご名答! サーフィス : まあ、答えは僕が言ったようなものだけどね サーフィス : じゃあ戴くよ♪今度は本物の鏡だよ サーフィス : クックック、耐えれるかな? サーフィス : アイデンの鏡よ!真実と闇を写し!思いの欠片を集めたまえ ! エレノス : クッ!眩しい!! アリア : エレノス、お願いよ・・・帰ってきて・・・ エレノス : また幻影か!そんなもので私の思いを削れるものか! アリア : 私を一人にしないで・・・・ アリア : 貴方が行ってから五年・・・ アリア : ゴフ、ゴフ、寂しい・・・・ アリア : わたし・・は・・・・ エレノス : アリアァァァァァァ!!! エレノス : 幻影・・・なのか・・・? エレノス : 行かねば・・・行かねばならぬ・・・ エレノス : ついた・・・ エレノス : ここが頂上・・・ エレノス : 石・・・ エレノス : 輝いている!? エダ : ほうほう、着きおった エレノス : お前は・・・門番? エダ : いかにも エダ : 門番であり エダ : 願いを叶える者じゃ エダ : 鏡の誘惑にも耐え良くぞここまできたのぅ エダ : さあ、願いを叶えてやろう エレノス : ああ・・・ エダ : といいたい所であるが エダ : それは出来ん相談じゃ・・・ エレノス : どんな願いでも叶えるのではないのか!? エダ : それはそうじゃ エダ : だがな・・・ エダ : 死んでいる者の病気を治すことなど出きるはずがないじゃろ? エダ : もう気づいておるのだろ? エダ : アリアもガイアスもこの世にはおらん事を・・ エレノス : ・・・・ エダ : アイデンの鏡は真実しか映さぬ エダ : あれは現実の映像じゃ エレノス : ・・・・・ エダ : お前さんはガーブスの戦いで親友のガイアスを失っておる エダ : 正確にはその後じゃがな・・・ エレノス : ・・・・・・・ エダ : 狂気とも呼べるこの場所への執着がお前さんの眼を曇らせ、 エダ : ずっと逃げ続ける自分を創った事 エレノス : ああ・・・ エダ : アリアも五年という月日のうちに既に病魔に命を奪われておる エレノス : ああああああ・・・・・ エダ : アリアは止めた筈じゃ!、 エダ : しかし・・・お前さんはとりつかれておった エダ : 奇跡 エダ : その代償に救うべき彼女の命を投げ出したようなものじゃ・・・ エダ : しかしなエレノス、 エダ : 本当に彼女が求めていたのは奇跡じゃなかったのじゃ! エレノス : あああああああああああああああああ!!! エダ : ・・・・ エレノス : わかってた、わかってたんだ!!! エレノス : でも俺には・・・俺には・・・ エレノス : もうアリアしか残っていなかったんだ・・・ エレノス : そして死に行くアリアを見ていられなかった・・・ エダ : もう良いじゃろう エダ : 逃げてももう、何も生まん・・・ エレノス : アリア、俺は・・・俺は・・・ エレノス : くっ、うううう・・・ エレノス : せめて、お前を助けたかった・・・・ エレノス : 俺は・・・お前を一人で逝かせてしまったのだな・・・ エダ : さすがに死者を蘇らせる事はできん エダ : 失われる者の定めを覆す事はできんのじゃ エダ : だが・・・・ エダ : 純粋な思いゆえに曇ってしまったその目を エダ : もう一度開かせる為の助けはしてやろう エダ : ・・・・・・ エダ : サーフィスよ、いるのじゃろ? サーフィス : うん・・・ サーフィス : 流石と言うべきかな、エダ? サーフィス : よくわかったね・・・ エダ : もうその服はいらないじゃろ・・・ サーフィス : ああ・・・ サーフィス : そうだね、着替えてくる ガイアス : うん、こっちのほうがしっくりくるね エダ : おぬしも人が悪いな、 エダ : 願いを叶える力を集めるためのアイギスの鏡だというのに エダ : あんな幻術を使って小細工をするとは・・・ ガイアス : ちょっとお仕置きの意味もあったんだけど、確かめたのさ ガイアス : 人の思いっていうのはどんなに嘘で塗り固めてたとしても、 ガイアス : 正しい方向に向かって行こうという力はあるからね ガイアス : ただ、やっぱり彼の思いは本物だったよ エダ : 確かに、思い石は動いておったな エダ : でなければちゃんと転移できんはずじゃしのぅ ガイアス : 腐ってもエレノスだったよ ガイアス : もう、心配いらないね ガイアス : たとえ運命が決まっていたとしても、 ガイアス : 時間を精一杯生きる事がわかったはずだ ガイアス : だよね・・・? エダ : わるかったのう エダ : ただ適任がお前さんしかおらんかったんじゃ ガイアス : いいさ、エダ ガイアス : 私ももう一度エレノスに会えてうれしかった エダ : それじゃあの、ガイアス・・・・ ガイアス : ああ、‘また’はないだろうからね ガイアス : あと七年でも幸せに生きるんだよ、アリア、エレノス・・・ エダ : ・・・ エダ : それじゃあまた別の馬鹿者が来ないか見張るとするかのぅ アリア : エレノス・・・、エレノス・・・ エレノス : ・・・・ エレノス : ここは? アリア : エレノス、貴方帰ってきてからずっとうなされていたのよ? エレノス : アリア!!う、うっうっ・・・・ アリア : キャ!どうしたの突然? エレノス : アリア・・・、生きているのか? アリア : ・・・・。 アリア : 泣いてる・・・・の? エレノス : 生きているのか、アリア・・・ アリア : 何を言っているの?? アリア : 体の調子は悪いけど死んでなんていないわよ! エレノス : そうか・・・ エレノス : それなら・・・いいんだ・・・ エレノス : そうだ、ガイアスは? アリア : ・・・・・ エレノス : そうか・・・・ アリア : 坂を探しに行くと出て行ったと思ったら アリア : 三日目に帰ってきていきなり倒れたのよ? アリア : ゴホッ、ゴホッ・・・・ エレノス : (時間が・・・戻った??) エレノス : ・・・?! エレノス : 石・・・ アリア : ??どうしたの?? エレノス : いや・・・・・ エレノス : 長い・・・夢をみていたようだ アリア : 夢? エレノス : 君の病気を治す為にディオニスの坂を探しに行く夢だった エレノス : 友も沢山死んでいった・・・ エレノス : だからせめてガイアスと君だけは守りたかったんだ・・・ アリア : そうなの・・・ アリア : ガイアスが死ぬ間際に貴方に伝えてくれって言ってた事があるわ エレノス : ? アリア : “お前も、精一杯生きろ” エレノス : ・・・・ アリア : 私はそんな奇跡とかに頼らずとも貴方がいてくれるだけで十分なの エレノス : ・・・・ アリア : 私だって諦めることなんてしない アリア : 私は貴方が側にいてくれればどんな苦しくても立ち向かっていける わ エレノス : そうだな・・・精一杯生きてみるか・・・・ アリア : ええ! エレノス : 共に・・・ エレノス : ・・・・ エレノス : 不思議な体験だった・・・ エレノス : でもそのおかげで私は気づく事ができた エレノス : ありがとう、ガイアス エレノス : アリア、私は寂しい・・・・ エレノス : ただ、帰ってきてからの七年間、幸せだったよ・・・・ エレノス : ・・・ エレノス : それじゃあ、またくるよ END